富の再分配は機能しているか

投稿者: 管理人 投稿日:

「格差社会」という言葉があるよう、1987年に0.4049だったジニ係数は、2014年には0.5704と大きくなって、格差は拡大しています。一方、税金には、「富の再分配」機能があるといわれますが、現代において、本当に機能しているのか、議論された資料を見つけましたのでご紹介します。

・相続税について

相続税は、相続人が譲り受けた財産額に応じて税を課すものであるため、富の再分配機能があるといえますが、直近の税制改正は、どのような効果を与えたのでしょうか。平成25年の税制改正では、①基礎控除の引き下げと②最高税率の引き上げ(55%)がありました。このうち、①基礎控除の引き下げは、今まで相続税がかからなかった中間層に税負担を求めたものであり、再分配機能への貢献はあまりないものと考えられます。一方、②最高税率の引き上げは、短期的に再分配効果があったと考えられますが、平成6年までは最高税率70%であったことを考慮すると、もっと高い税率の設定が必要かもしれません。

・所得税について

所得税は、所得の増加とともに税率が上がる「累進課税制度」をとっていますので、再分配機能があると考えられます。しかし、累進課税制度をとっているのは「総合所得」のみで、分離課税分は固定税率となることをご存じでしょうか。一般に、所得金額が2憶円を超えると、金融資産の保有率が上がり、所得に占める株式譲渡益の割合が大きくなって、所得税の負担率は実際には下がっていく傾向があることも指摘されています。

・消費税について

最後は、消費税です。消費税には、「収入額に占める消費税の負担割合は、収入額が最も少ないグループで最も高くなる」という逆進性が認められることが分かっています。そのため、2019年から軽減税率が導入されることになるのですが、軽減税率は、逆進性対策としてはあまり効果がないことも指摘されています。

【まとめ】格差は是正すべきものか?

公正・公平な社会が実現されているのであれば、無理に格差解消する必要はありませんが、実際の社会はそうでないことも多いなぁというのが、四十路を過ぎての感想で、一定の是正措置は必要と考えます。格差が少ない国のほうが、治安がよかったり、経済成長率が高かったりすることもそうすべきと考える根拠です。

税による再分配機能は、戦後から縮小の一途を辿ってきてますので、この辺で見直しがあってもよいと考えますし、また、富の再分配は、税以外にも、「社会保障」や「最低賃金制度」などもありますから、これらも踏まえてバランスの取れた施策を求めたいと考えます。

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